熊本にて学ぶ営業力

昨日もタクシーのことを書いた。でも今日の運転手さんには僕がそういう人間でありたいと思うことを実践されているおじいさんで、大変勉強になった。途中うるっときた。

今日は熊本市内のお客に会いにいくがかなり不便なところでタクシーに乗った。帰りのタクシーで、風邪のため咳がでたところ運転手さんがさっとのど飴をくれた。毎日コンビニで購入してお客さんにサービスしてあげるのだそうだ。全国タクシーに乗ってぷち不幸に会う話をし、タクシーは不況で大変しょ?と言ったら、年金と月30万の売り上げで十分に生活できていると言われた。博多の運転手は月に7万円も稼げないというぼやいていたのに。このベテラン運転手さんは一般的に月24日勤務なのを、水揚げがしっかりあるので月20日勤務で十分やっていってるとのこと。

運転手さん曰く、儲からない運転手は当たり前のことをちゃんとしないから儲からないだけだと言われた。そのとおりだ。運転が荒い、服装がだらしない、言葉遣いが悪い、タバコ臭い等・・サービス業としての基本をやってない。そして儲かるためのちょっとした工夫・努力がない。この運転手さんは、夜遅くまで飲んでタクシーで帰るお客が集まるポイントに朝一番早くからいく。これで長距離のお客さんがぽんぽん乗ってくれるらしい。早起きは一文の得。さらに、昼間は市内で一番大きなデパート前のタクシー乗り場に並ぶ。ここでも一工夫。1番目のタクシーまではデパートの出口から遠く歩くのが大変なお年寄りなんかには辛い。出口に近い3番目に並んでいてもわざとドアを開けておいて、にっこり挨拶して「どうぞ、こちらでもいいですよ」と言う。するとお客が安心して3番目のタクシーに乗ってしまう。そうして飴のサービスしてあげたりすると、常連客になってくれてご指名で配送連絡がくる。これがワンメータのお客ではなく結構いい距離走るお客が多いので売り上げも午前中のうちに1万円超えるのだそうだ。
この不景気に。
学校を卒業して車の販売店で5年くらい営業職をやっていた頃の経験がいきているとのこと。なるほど。

さらに話は続く。”30m先の県立美術館までいきたいが乗せてもらえますか?”というお客に御代はいりませんと乗せてあげた。気持ちがうれしかったとお客さんはワンメータの代金ではなくて、1,000円を貰ってくださいと渡されたそうだ。他にもいろんな出会いがあるようだ。

15分ほど良い話を伺いながら熊本駅についた。領収書を貰う。1枚はちゃんと打ち出したやつ、そして何も金額がない領収書をくれた。営業にはこういうのありがたい。大げさじゃなくて、ちょっとした気配り。結果がちゃんとついてきてくれて人生を豊かになると思います。

今日はこの運転手さんのおかげで幸せな1日。
といいたいが、博多に戻り、あるプロジェクトのキックオフ飲み会で幹事する。天神の「酔灯屋」さんで飲み放題コースにしていたから、やんちゃしまくりホテルに着いたのは夜中の1時。おやすみなさい。